「ツール」メニューから利用できるフィルターマネージャでは、ウェブページごとに異なった設定を適用できます。これにより、広告バナーや Cookie などのような迷惑コンテンツをフィルタリングしたり、デフォルトの設定では機能しないウェブページで機能するように設定を変更できます。
環境設定での設定はすべてのウェブページで適用されます。フィルターマネージャでも環境設定に準じた内容の設定がいくつか含まれますが、それらの適用は特定の URL のウェブページに限定されます。URL で特定されたウェブページでは、環境設定での設定はフィルターマネージャでの設定によって基本的に上書きされます。
例: ウェブサイトには 2、3 のウェブブラウザ(IE や Firefox、たまに Safari や Opera も)でしか動作せず、他のブラウザによる閲覧を拒否したり、愚かな指示を出すようなところが少なからずありますが、そのようなウェブサイトでは iCab に他のウェブブラウザ名を自称させることによって閲覧できるようになることがあります。そこで、そのウェブサイト用に、iCab に例えば Safari 3 を名乗らせるフィルター項目を作成します。すると、iCab でそのウェブサイトを訪れると自動的に Safari 3 を自称するようになりますが、他のウェブサイトでの iCab の自称名は iCab のままとなります。
フィルターマネージャではいくつかのフィルターはひとつのフィルターコレクションとして統合されます。フィルターコレクションはファイルとして書き出すことも、フィルターファイルから読み込むこともできます。これにより、フィルターファイルは他の人に配布できます。iCab の公式ウェブサイトでは、フィルターファイルの配布を行っています。インポートするにはファイルをダブルクリックするか、フィルターマネージャウインドウの「読み込む」ボタンをクリックします。
フィルターコレクションはウェブページの URL の集まりからできていて、その URL にはそれぞれの設定が保存されています。設定はいくつかのカテゴリーに分かれていて、それぞれのカテゴリーでは、個別の設定を適用するか、環境設定での設定をそのまま使用するかを選択できます。フィルター設定と環境設定のどちらを優先させるかは、URL ごと、カテゴリーごとに柔軟に対応できます。
まず最初に、フィルターマネージャウインドウの左上にある、フィルターコレクション欄で、新規に作成したいフィルターに適したコレクションを選択するか、「+」をクリックして新規コレクションを作成します。
コレクションを選択すると、選択されたコレクションに登録されている URL 項目が左下の URL 欄に一覧表示されます。「+」ボタンをクリックして、新規 URL 項目を作成します。ひとつのウェブページだけではなく、関連する複数のウェブページを対象にすることができるように、URL にはワイルドカードを使用できます。「*」(半角のアスタリスク)は 0 文字以上の任意の文字の代用として、「?」(半角のクエスチョンマーク)は任意の 1 文字の代用として機能します。
例:「http://www.icab.de/
」という URL 項目は、完全に一致する iCab ホームページの 1 ページしかフィルターの対象になりません。この場合、例えば、「http://www.icab.de/info.html
」はフィルターの対象にはなりません。この時に、ワイルドカードの「*」を使用して「http://www.icab.de/*
」とすると、iCab のウェブサイト全体をフィルター対象にすることができます。
「フィルターする URL」欄で項目を選択すると、ウインドウの右側の設定欄がアクティブになります。右側の設定欄は、選択されたフィルターの対象となるウェブページに限定された設定になります。
設定欄はテーマごとにいくつかのタブに分類されています。それぞれのタブの最上部には、該当する URL の該当するカテゴリーにおいて環境設定を優先させるためのチェックボックスがあります。チェックボックスのチェックを外した場合、フィルターする URL 項目の対象となるウェブページにおいて、設定を変更できるようになるとともに、その個別設定が優先されるようになります。フィルターマネージャでのカテゴリー設定はほとんどが環境設定に準じています。
フィルター設定の各カテゴリーについて:
この設定は色やフォント、フォントサイズなどのウェブページの表示に影響を与えます。また、ここではユーザ定義のスタイルシートを対象のウェブページに限定して適用させることができます。ただし、ユーザスタイルシートを作成するには若干専門的な知識が必要となります。フィルターコレクションを書き出す場合、ユーザ定義スタイルシートファイルの内容はフィルターファイルに含まれなくなるので、その場合は CSS コードを直接入力する方を選択します。
このカテゴリーでは、画像やプラグインを必要とするデータ、Java アプレットなどを表示するかどうかを設定できます。
このカテゴリーでは、JavaScript の機能のすべて、あるいは一部について有効にするかどうかを設定できます。また、自分で用意した JavaScript を対象のウェブページに限定して適用させることができます。後者は強力なツールになりますが、HTML と JavaScript に関する専門的な知識が必要になります。フィルターコレクションを書き出す場合、JavaScript の内容はフィルターファイルに保存されます。
このカテゴリーでは、Cookie や HTTP リファラ、ブラウザ自称名などについて設定できます。
このカテゴリーでは、ウェブページのメインのファイル以外の埋め込みファイルについて設定できます。画像、ムービー、音声、外部 JavaScript ファイル、外部 CSS ファイルなどが対象となります。タブ画面の右側にあるサイズ一覧は、画像やムービーなどの表示サイズで非表示にするファイルを追加します。典型的な広告バナーは特定の表示サイズ、例えば 168 x 60 の大きさなどを採用している場合があり、それらを一括して非表示にすることで、わずらわしい画像を目にしないで済むことになります。一方、左側には埋め込みファイルへの URL を追加し、対象となるファイルを読み込むかどうかを設定できます。ここでの URL にはワイルドカード(「*」と「?」)を使用できます。読み込むことも読み込まないことも指定できるので、あるファイルを読み込まないように設定することができるだけではなく、あらゆる場合に読み込むようにすることも可能になります。
フィルターマネージャは、「表示」メニュー>「フィルターマネージャを有効にする」かフィルターマネージャウインドウで、一括して無効にできます。また、フィルターマネージャウインドウでは、フィルターコレクションごと、あるいはフィルターコレクションの URL ごとに無効にできます。無効にするにはチェックボックスのチェックを外します。
フィルターコレクションは、他のユーザのために書き出したり、他のユーザが作成したものを読み込んだりすることが可能です。
書き出すには、フィルターマネージャウインドウでフィルターコレクションを選択し、「書き出す」ボタンをクリックします。すると、ファイルとして保存されます。
読み込むには、フィルターファイルをダブルクリックするだけです。フィルターマネージャウインドウで「読み込む」ボタンをクリックし、フィルターファイルを選択することで読み込むこともできます。