ウェブページを別名で保存する際に表示されるダイアログでは、「独立した Web アプリケーション」形式が選択できます。これを選択すると、実際のユニバーサルバイナリーのアプリケーションが作成されます。
これは、Google Docs や Gmail、MobileMe などのウェブアプリケーションを、デスクトップアプリケーションのような感覚で操作するための保存形式です。保存される Web アプリケーションは基本的には iCab に準じたものですが、ユーザインターフェースは簡略化され、単一のウェブサイトを閲覧することに最適化されます。例えば、外部リンクは標準ウェブブラウザに受け渡されます。また、ブラウザウインドウのツールバーは利用できますが、デフォルトでは非表示になります。Google Docs のようなウェブアプリケーションの多くは、リンクを開いてウェブページを移動するような操作はほとんど行わず、通常のアプリケーションのようにボタンを使用したりドラッグ&ドロップで作業するようになっているので、URL フィールドや「戻る」「進む」ボタンなどはあまり意味がないからです。
作成された Web アプリケーションは、それぞれが独立した設定、保存領域、Cookie などを持ちます。通常のアプリケーションのように、Dock に配置することもできます。
Web アプリケーションには起動した時に表示されるホームページや表示するウェブページの範囲の URL を設定できます。これは、両方とも保存時に iCab によって設定されるので、特に変更する必要はありませんが、「URL フィルター」フィールドによって限定されるウェブページの表示範囲は、保存するウェブアプリケーションがより広い範囲からデータを読み込むような場合には拡張する必要があります。例えば、「Flickr.com」では、ログインするのに「Yahoo.com」にアクセスするので、「http*://*.flickr.com/*」となっている URL フィルターを「http*://*.flickr.com/*, http*://*.yahoo.com/*」のように変更します。
更に、Web アプリケーションにインストールする言語環境は選択することができます。少なくともひとつは選択しなければなりませんが、必要のない言語環境を除外することでアプリケーションの総容量を小さくすることができます。ただし、英語やドイツ語を除外すると不具合が発生する可能性もあります。
アプリケーションアイコンには保存するウェブページで使用されるファビコンが最初に選択されますが、他の画像ファイルを選択することもできます。
作成された Web アプリケーションの初回起動時にログインを要求される場合は、フォームにログインデータを入力してから「表示」メニュー>「フォーム入力を保存」と選択することで、次回からログインデータは自動入力されます。
同一のウェブページを別々の名前で複数の Web アプリケーションとして保存することも可能です。それぞれのアプリケーションでは個別に設定や Cookie、パスワードなどが保存されるので、同時に複数のアカウントでウェブサービスを受けることが可能になります。(複数アカウントは IP などの条件によってブロックされる可能性もあります。)